大学の後輩から「ワインを見繕ってほしい」と依頼が来まして。
お易い御用!と引き受けたものの、意外にも難儀した、というお話です。
まずはシチュエーションを整理
ワインを飲むシチュエーションはこうです。
- ライブハウスを貸し切って、お祝いパーティーをする。
- お酒は用意してあるが、持ち込み自由。
- ちょっとだけ美味しいワインを2本、手みやげに持って行きたい。
- パーティー当日にワインを後輩に渡す。
あなたならどんなワインを選びますか?
私(ソムリエ)が持ち込んで提供するなら何の苦労もないのですが、ワインに精通していない後輩に託すとなると。。。
でもって、こんな条件でワインを探すことにしました。
- 冷えた状態で提供できないので、辛口の赤ワイン。
- 立派なワイングラスはないと思うので、コップで飲んでも美味しいワイン。
- 開栓で苦労させたくないから、スクリューキャップ栓のもの。
- できればお祝いにふさわしい、場が華やぐワイン。新郎新婦にまつわるエピソードがあるとか、ラベルがおしゃれとか、会話が生まれるワイン。文句なく美味しいことも必須。
- どんな人が飲むかわからないから、渋過ぎず・軽過ぎず・甘過ぎず。
- この場合、高価なワインは必要ないから、1本2,000円前後。
スクリューキャップのワインを探し始めたが…
探し始めてわかったのは、スクリューキャップのワインが意外なまでに少ないこと!
ドイツ・南仏・NZ・オーストラリアはまだ多いほう。特にNZは、高価格帯でもコルク栓を使わないことが多い。
イタリア・スペイン・アメリカが少ないのは意外。1,200円前後以下のものばかり。
しかも白ワインは見つかるけれど、瓶内熟成期間の長さを考慮してか、赤ワインはコルク栓が圧倒的に多い。
ピノノワールはあまり万人向けではない(私見)ので除外すると、
「フルーティーで そこそこボディーがある 1,500円前後の スクリューキャップの 赤ワイン」
の少なさに困惑しました。
でも、こういうシチュエーションでワインを選ぶことって意外と多くありません?
会社の同僚とお花見とか、キャンプとか、友人宅で宅飲みとか。
スクリューキャップのワインはブショネの心配が少ないし、だれでも簡単に開けられて、残っても再栓して安心して持ち運べるし。メリットだらけなんですけどね。もっと増えないかなー。
結果

結局、「カリフォルニアのジンファンデル」と「南仏のシラー&カベルネ主体のブレンド物」を選びました。
楽しく飲んでもらえると嬉しいです!
SHINADA Hironobu
(Sommelier, Wine Bar Fermata @Sapporo)